ラジコンは進化した!! タミヤの新シャシーはここがスゴい | Spyder7(スパイダーセブン)

ラジコンは進化した!! タミヤの新シャシーはここがスゴい

話題 テクノロジー

タミヤTA07 PROシャシー
  • タミヤTA07 PROシャシー
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  • モーター搭載位置は前後26mm刻みで3ヶ所
  • アッパーフレームは部位ごとに太さを変える繊細な設計
  • 中央の「TAMIYA」と刻印されたプレートを脱着することで、左右方向の「しなり」の大小を選べる
  • バスタブ構造の従来シャシー(左)とTA07 PRO
タミヤは電動RC(ラジオコントロール)カーの新シャシー「TA07 PROシャーシキット」を7月上旬に発売する。これに合わせて6月29日、タミヤサーキットでメディアミーティングを開催。設計担当者みずからが新シャシーの特徴を紹介した。

TA07 PROはベルト駆動のオンロード用シャシー、TAシリーズの最新モデル。エントリークラスからステップアップしてきたユーザーやレースに出場する人まで、幅広いユーザー層をカバーするミドルクラスの新商品だ。開発を手がけたのはタミヤ企画開発部一課で、ミーティングには同課の鈴木清和 係長と青木孝憲 主任が出席した。

なにより目を引くのは、モーターやバッテリーなどの部品をケージ状のフレームで囲むという、これまでに見たことのないシャシー形状だ。これまでのTAシリーズにはバスタブ形状が採用され、側面で剛性を確保する構造になっていた。しかしTA07 PROに側壁は存在しない。その代わりに、高い位置に細いアッパーフレームがあり、これが従来モデルとの最大の違いだ。

なぜこうした独特なデザインが採用されることになったのだろうか。青木主任は開発の経緯について「今回の商品開発で難しかったことは、すでに市場が成熟し切っている、ということに尽きます」と振り返る。「従来モデルと同じ形ではインパクトがない。そこで3つのポイントを開発コンセプトに掲げました」という。

3つのポイントとは「先代機種を超える戦闘力」、「他社にはない新しい機能やデザイン」、「ミドルクラスマシンとして備えるべき要素」。そして個性的な形状は、これらの要件をクリアするために導き出されたものだという。

以前のTAシリーズは「硬ければ硬いほうがいい」という発想でシャシー開発をしていたという。しかし競技志向の強いさまざまなシャシーを触ってみると、「ピッチ方向では硬いが、ロール方向にはしなやかなものになっている」と気づいたのだとか。

RCカーのコースというのは車両サイズに対して路面のギャップが大きく、ものすごく凹凸の激しい道路を走っていることになり、ホイールやダンパーでは吸収しきれない衝撃も多い。それをシャシーで吸収しなければ車体が跳ね回ってしまう。「そこで側壁をやめ、しなる形状で路面追従性を高めることにした」という。そして必要な剛性を確保しながらしなやかさを備えるために導き出されたのがアッパーフレーム構造というわけだ。

またこの構造は、バスタブ構造では宿命のように存在していたネガティブ要素も解消できたという。従来シャシーは横方向の寸法が大きなモーターを置くために、側壁の一部を切り欠いたデザインを採用。しかし「金型に流し込まれる樹脂の”流れ方”が右側面と左側面で異なり、左右でまったく異なった特性になってしまっていた」という。左右でコーナリング特性が異なるというのは、レースで細かなセッティングをする際に大きな障害となっていたのだとか。

これがアッパーフレーム構造のおかげで左右対称デザインが実現でき、左右でほとんどかわらないコーナリング特性が確保できたという。さらにフロント部で左右のフレームを接続しているプレートは脱着式で、しなりを調整できるようになっている。

なおフレームのデザインは「見た目のかっこよさを重視したわけではありません。しなりと剛性の両立や、左右対称という機能のために考案した形です。それでかっこいいと言ってもらえるなら嬉しいですね」と鈴木係長。

もうひとつ、TA07 PROの大きな特徴が「ミッドシップレイアウトされたモーターの搭載位置を3ヶ所選べる」ということだ。モーター位置の違いによるハンドリングの変化は、簡単なテストドライブでも容易に実感できた。レース参加時だけでなく、純粋なホビー走行でも楽しむことができる機能だ。

ハンドリングに与える影響はモーターの重量による重心位置の変化だけでなく、モーター回転によるジャイロ効果も大きいのだとか。ちなみにタミヤによれば「最後部に置くと加減速による前後の荷重変化が大きくなり、競技ではもっともおすすめ。最前部だと安定感が高くなるので、グリップが弱く不安定になりやすいコースでおすすめしたい」とのことだ。

モーター位置はモーターで2本、側面のモーターガードで2本という合計4本のネジを外すだけで変更できる。その他の受信機やスピードコントローラーといった部品は両面テープでシャシーに接続されているため、出かけた先でも容易にモーター位置が変更できるようになっている。駆動力は1本のベルトで前後に伝達されるため、取り回ししなおす必要はない。

こうして幅広いレベルのユーザーに対応できることは、開発コンセプトの3点目「ミドルクラスマシンとして備えるべき要素」に繋がる。斬新なデザインを採用していながら、ハイエンドモデルと部品を共用化するなどして開発コストを抑制し、税別28800円という手ごろな価格を実現したというのも驚きだ。

なおタミヤではTA07 PROについて、アッパーフレームを持つシャシーは「機能性+個性的デザインへの挑戦」、そしてモーター位置をユーザー自身の手で変更できることは「競技性だけでなく、探究心をかきたてる機能」だと説明する。そしてその特徴は「ボディを被せてしまうのがもったいない」と思ってしまうほどに、魅力的に表現されている。

タミヤの新RCシャシーが見せる新しい機能、そして新しい価値

《古庄 速人@レスポンス》

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