競泳・今井月、リオを経験して東京五輪を見据える「1年1年しっかりと」 | Spyder7(スパイダーセブン)

競泳・今井月、リオを経験して東京五輪を見据える「1年1年しっかりと」

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今井月選手(コカ・コーラスポーツクラブ)
  • 今井月選手(コカ・コーラスポーツクラブ)
  • 今井月選手(コカ・コーラスポーツクラブ)
  • 今井月 参考画像(2016年8月8日)
  • 今井月 参考画像(2015年11月3日)
  • 今井月 参考画像(2016年4月5日)
  • 今井月 参考画像(2016年4月6日)
リオデジャネイロ五輪を半年後に控えた2月以来、8カ月振りで今井月(るな)選手に会った。高校生になった彼女は五輪を経験し、16歳の誕生日も迎え、これからの日本競泳界を引っ張るひとりとして成長した姿を見せてくれた。

15歳で経験した五輪を、「他の試合とはぜんぜん違う。先輩方のレースを見て刺激になりました」と振り返る。だが、印象に残っていることを聞くと少し考え、「選手村のピザとヨーグルトが美味しくて、毎食食べていました。いつもそればっかり」と笑い女子高生の顔を見せた。

選手村ではリラックスできたが、世界中からトップアスリートが集まる五輪ではいつもはない緊張があった。

「最初、会場に行った時は普通の国際大会かなと思ったんですけど、競技が始まったらほんと雰囲気とかガラッと変わってきて、レースがなくても緊張感を感じたりしましたね」

今井月選手(コカ・コーラ スポーツクラブ)
4月の日本選手権、今井は女子200m個人メドレーで派遣標準記録を突破。念願のリオデジャネイロ五輪への切符を手にいれた。初めての五輪は準決勝まで進んだが、結果は15位。8名で競う決勝には残れず、世界最高の舞台の壁の高さを実感した。

今井と同級生の池江璃花子(ルネサンス亀戸)、高校2年の長谷川涼香(東京ドーム)、中学3年の酒井夏海(スウィン南越谷)ら10代の女子選手たちは男子競泳陣のように実力が発揮できなかった。池江は女子100mバタフライで6位の結果を残したが、長谷川は女子200mバタフライ準決勝で9位、酒井は女子100m背泳ぎで26位に終わっている。

「璃花子はいい結果だと思うんですけど、夏海とか長谷川もベストを出せなかった」

日本選手権では自己新記録となる2分10秒76をたたき出した今井だが、リオデジャネイロ五輪では予選で2分11秒78(11位)、準決勝は2分12秒53(15位)と伸びなかった。

「めちゃくちゃ緊張したわけじゃなかったんですけど…」

最初は“普通の国際大会”と変わらないと思った五輪だが、世界最高の舞台だからこそ感じる空気があったのだろう。しかし、自身や同年代の日本代表にとって「しっかり4年後につながるレースができた」と手応えはあった。

初めて五輪の舞台に立った今井月(c) Getty Images
高校生となり、親元を離れて寮生活を始めた。

「やっぱり自分でやらなきゃいけないことが多くなってきたので、水泳も勉強も両立するのは大変なところがありますね」

8月15日に16歳になった。その日は競泳界のエース、萩野公介(東洋大学)も22歳の誕生日を迎えている。ちょうどリオデジャネイロを発つ移動の日となったが、「萩野くんも同じ誕生日だったので一緒に祝ってもらって、日本の女子の代表選手からメッセージを頂いたりしました」と思い出に残る一日となった。


まだ16歳だが、これからは競泳日本代表トビウオジャパンを牽引するひとりとして周囲の期待は大きい。そのことも今井は自覚している。リオデジャネイロ五輪を終え日本競泳界では松田丈志、星奈津美、内田美希が現役引退を表明したが、「偉大な先輩方が引退されるので、次の世代をしっかり引っ張っていけるようにしたいです」と言葉は力強い。

10月7日に東京・銀座で行われた日本代表メダリストたちによる凱旋パレードはテレビで見た。一緒にリオデジャネイロへ行った日本代表の仲間たちの晴れ姿に、「すごい人数の方が見に来ていた。4年後は…」と自身の姿を思い描く。

今井が注目する同世代は、トルコ代表としてリオデジャネイロ五輪で3種目(女子100m・200m平泳ぎ、女子400m個人メドレー)に出場したヴィクトリア・ゼイネプ・ギュネシュだ。

「去年の世界ジュニアの時にすごい速く泳いでいて、歳もけっこう近かったので(18歳)。今回オリンピックではあまり良くなかったんですけど。その子も個人メドレーも平泳ぎもやる子なので、4年後の東京で戦えたらなと思います」

リオデジャネイロ五輪で個人メドレーのみの出場となったが、今井の得意とするのは平泳ぎだ。FINA競泳ワールドカップで銀メダル獲得の経験もある。東京五輪では複数種目での活躍も期待できる。

日本選手権で泳ぐ今井月(c) Getty Images
2016年は今井にとって初めてづくしだった。高校入学、寮生活、CM撮影、リオデジャネイロ五輪出場、インターハイ総合優勝…。

「ほんとに初めてのことが多かったんですけど、いろんな経験ができていい一年になったと思います。次につながるかなと思います」

月という印象的な名前は、ラテン語で月を意味する「ルナ」から来ている。今井の兄が「流星(ひかる)」と名付けられ、妹も夜空に関係する名前にしようと「月」になった。夜空を照らす月のように、競泳界でより一層輝くことを楽しみにしたい。

「まずは来年の世界水泳の代表に。1年1年しっかりと」

一歩ずつ今井月は進んでいく。その先に見えるのは東京五輪だ。

●今井月(いまい るな)
2000年8月15日生まれ、岐阜県出身。コカ・コーラ スポーツクラブ所属。リオデジャネイロ五輪で女子200m個人メドレーに出場。兄の影響で3歳から水泳を始め、5歳から本巣スイミングスクール(岐阜)に通った。2015年FINA競泳ワールドカップ・ドバイ大会女子200m平泳ぎで銀メダルを獲得。
《五味渕秀行》

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