【海外試乗】アウディ TTS 、これほどの万能スポーツカーは他に見ない…岡本幸一郎 | Spyder7(スパイダーセブン)

【海外試乗】アウディ TTS 、これほどの万能スポーツカーは他に見ない…岡本幸一郎

本国でマイナーチェンジが報じられてほどないタイミングで、その最新のTTを駆り、マン島TTレースで実際に使われるマウンテンコースの約20kmにおよぶ区間を占有し、思いっきり走れるという願ってもない機会に恵まれた。

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アウディ TTS 新型
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◆同クラスで抜群の実用性

初代『TT』の登場からちょうど20年が経ち、3代目となる現行TTの登場から4年あまりが経過。本国でマイナーチェンジが報じられてほどないタイミングで、その最新のTTを駆り、マン島TTレースで実際に使われるマウンテンコースの約20kmにおよぶ区間を占有し、思いっきり走れるという願ってもない機会に恵まれた。

ちなみに、アウディがこのクルマに「Tourist Trophy(ツーリスト・トロフィー)」を意味する「TT」と名づけたのは、アウディの前身の系譜であるDKWやNSUが手がけたモーターサイクルが、伝統あるマン島TTレースで過去にいくつもの金字塔を打ち立ててきたこととむろん無関係ではない。

試乗用に用意されていたのは、高性能版の『TTS』だ。今回のマイナーチェンジは外観のリフレッシュが中心といっても、定評あるデザインに大きく手が加えられたわけではないが、より立体的なデザインになったシングルフレームグリルや、ワイド&ローイメージを高めたバンパーの与えられたフロントフェイスにより、これまでよりもずっとスポーティに見えるようになった。思えば20年前に世を驚かせた丸っこいフォルムが印象的だった初代TTからすると、ずいぶん雰囲気が変わったものだ。

バーチャルコクピットのように先進的なアイテムをいちはやく取り入れたのも特筆できるが、同等クラスのスポーツカーの中では抜群に実用性が高いこともTTの強みに違いない。+2のスペースはちょっとした荷物を積むのに重宝するし、いざとなれば4人を乗せることもできる。さらにはリアシートを倒すとかなり広いラゲッジスペースをつくりだすことができるのもTTならではである。


◆TTの本質はスポーツカーである

そうした見た目と使い勝手のよさに加えて、肝心の走りも素晴らしい。対向車のいないマウンテンコースで本来の性能を引き出して走ると、このクルマの本質がスポーツカーであることがよくわかる。

スポーツグレードのTTSに与えられる高出力版の2.0リットル直4TFSIガソリン直噴ターボが生み出す、どこからでもついてくる力強い加速フィールは爽快この上なし。それをダイレクトに駆動輪に伝えるSトロニックが、より走りの気持ちよさを高めてくれる。ダイナミックモードを選ぶと、より瞬発力とエキゾーストサウンドの迫力が増す。

今回のマイナーチェンジにおける変更点として、とくに伝えられず表に出てこない部分も改良が施されているらしく、全体的に洗練されているように感じられた。持ち前の俊敏で正確なハンドリングは、より一体感を増していて、高速コーナリングでもまったく不安を感じさせない圧倒的なスタビリティの高さにもあらためて感心する。

マウンテンコースの占有走行後には、マン島レースで使われる残り約40kmのコースを一般車と同じように法規にしたがって走行したのだが、そこでは20インチの偏平タイヤを履くとは思えない乗り心地のよさが印象的だった。これには車体や足まわりの表に出ない改良もあるだろうが、TTがいちはやく採用して熟成してきた、磁性流体によるマグネティックライドの進化も効いていることに違いない。いたって快適で上質なドライブフィールを実現していることに感心させられた。

見ても乗っても味わい深く、日常的に使える利便性をも兼ね備えた、これほど万能でよくできたスポーツカーというのは、この価格帯ではほかに心当たりがない。年明けごろに予定されているという日本導入を楽しみに待ちたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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《岡本幸一郎@レスポンス》

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