トヨタ MIRAI 新型試乗!“フラッグシップ相当”らしい上質な走り…島崎七生人 | Spyder7(スパイダーセブン)

トヨタ MIRAI 新型試乗!“フラッグシップ相当”らしい上質な走り…島崎七生人

自動車 ニューモデル
トヨタ MIRAI 新型(Z“Executive Package”)
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先代『MIRAI』の開発も手がけられたチーフエンジニアの田中義和さんによれば、新型は「FCVである以前に走りもスタイルも魅力的なクルマにしたいという思いが強かった」という。「そうしなければFCVの普及にも繋がらない」とも話す。

なるほど、と実車を見て、走らせてその言葉が実感として理解できた。とにかく今度のクルマはいいスタイリングだし(←行間から先代がどう見えていたかをお察しいただきたい)、佇まいがグンとエレガントになった。

◆“こうあるべき”なデザインの進化


3サイズを調べてみると先代に対し新型はホイールベースが140mmも長く、全長(+85mm)、全幅(+70mm)も拡大。反対に全高は65mmも低められた。ちなみに現行『クラウン』に対しても全長(+65mm)、全幅(+55mm)とも大きく全高も15mm高い(2920mmのホイールベースは同一)。

要するに新旧でいえば“旧”は、モコッ!と背が高く“変わり種風”のコンセプチュアルなスタイルだったのに対し、新型は見るからに伸びやかで、しかもディテールをスッキリとさせつつ、ドア断面(ボディサイド面)に張りをもたせ力強さも感じさせる。

サイドウインドウのグラフィックこそ似ている『クラウン』が純国産車に見えるのに対し、新型『ミライ』はどこか海外のメーカーのクルマのよう、な気配すらある。進化感、新しさをしっかりと実感させてくれる“こうあるべき”といったフルモデルチェンジだ。

◆後席のつま先の窮屈さが解消された


他方でインテリアでは、FCスタックを従来の前席下からフロントノーズに移した結果、後席に着座した際のつま先の窮屈さが解消されたのが何といってもいい。高圧水素タンクは従来の2本から3本に増やされ、1本はセンタートンネル部に配置されるため、ここはやや高めだが、後席は3名乗車に改められた(シート形状は背もたれにやや包み込まれる形状で左右2席重視だが……)。

FFからFRに変わるも、ガソリン車とは逆で、機能的に有利なパッケージングが得られた点は『MIRAI』ならでは。後席背後に2次バッテリーを搭載するもトランク容量が十分なのは、レクサス『LS』も使う余裕の大きいGL-Aプラットフォーム採用の恩恵。


大型ディスプレイを用いたコクピットは現代的なもの。試乗車に標準のデジタルインナーミラーは、画面がまずまずの精細さでカメラには洗浄機能までつくのはいいが、カメラ搭載位置の関係から、視野が低いオープン2シーターのミラーに写る見上げるようなアングルであり、着座高に対し少し違和感を覚えた。慣れれば気にならないかもしれないが。

◆フラッグシップ相当のクルマらしい上質な走り


走りはとてもいい。ステアリングホイールは最近のメルセデスベンツ、BMW同様にグリップが太めでやや小径だが、速度や状況を問わず手応え、フィードバックがしっかり感じられる。ブレーキのタッチにも違和感はない。そしてパワーフィールは、これはもう実にスムースで、かつアクセル操作もどんな速度領域、踏み込み速度でもツキがよい。要するに、ドライバビリティがきわめて自然に仕上げられているという訳だ。

乗り心地も20インチタイヤ(19インチは未試乗)ながら快適で、低速から足がよく動いてくれ、路面の繋ぎ目などのショックもボディに響かせずに吸収している。


もちろんモーター走行による、そもそもの静粛性の高さは当然として、静かさ故に目立つような折々での低級なメカ音等も気にならない。特別な存在の『センチュリー』を除けば、トヨタのセダンのラインアップでフラッグシップ相当のクルマらしい、上質な走りも味わえる。

今回は真冬の寒冷時ということもありヒーター(シート、ステアリング含む)はずっと使用、撮影&試乗での頻繁な加減速も経験した後の実際の“給水素量”は、およそ100km走行で1.47kgだった。試乗車借り受け時に459kmと表示されていたメーター内の走行可能距離は311kmとなっていた。感覚的にBEVのような心細さはまったくなく、充填ステーションの心当たり(現状で全国134箇所ほど)があれば安心して乗っていられる。

水素ステーションで水素を充填するトヨタ MIRAI

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

【トヨタ MIRAI 新型試乗】“フラッグシップ相当”らしい上質な走り…島崎七生人

《島崎七生人@レスポンス》

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