アルピナ B5 新型試乗!大人のクルマ好きが「いつかたどり着く」一台…九島辰也 | Spyder7(スパイダーセブン)

アルピナ B5 新型試乗!大人のクルマ好きが「いつかたどり着く」一台…九島辰也

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BMWアルピナ B5 リムジン
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ご存知のようにアルピナは小規模メーカーである。年間の生産台数は1400から1700台くらいかと記憶する。よって、一年を通じてステアリングを一度も握らない年も珍しくない。新しいラインナップがコンスタントに登場するとは限らないからだ。

が、去年から今年にかけて幸運なことに何度かその機会を得た。『XD4』『B3』そして今回の『B5』と次々日本導入されたおかげだ。およそ四半世紀前からお付き合いさせていただいているが、これほどギュッと短期間にアルピナに触れられたのは初めてかもしれない。

◆躾けられた走りにスーパーカー顔負け


それはともかく、新型「B5」とのご対面である。特徴はなんといってもエンジンパワーだろう。ボンネットの下におさまる4.4リットルV8ツインターボの最高出力は621psに達する。オーセンティックな4ドアセダンでありながらレーシングカー並みの馬力だ。しかも最大トルクは800Nmというから驚異的。イタリアのスーパーカー顔負けとなる。結果、最高速度は330km/h。ドイツのアウトバーンでは相当威張りが効きそうだ。

ちなみに、BMW『M5』の最高出力は600ps、最大トルクは750Nmで、『M5コンペティション』でようやく625psとなりB5を超える。わずか4ps。もはやここまでくると数値的な違いは体感できないが、かなりの高レベルで競っているのが面白い。

BMWアルピナ B5
が、ここで言いたいのは数値では現れないアルピナの味。こうやって数値を羅列するとかなりレーシーな乗り味の4ドアサルーンに思えてしまうが、B5はそういうクルマではないのだ。走りは終始ジェントルで、大人の余裕を感じさせる。ステアリングやアクセルが格段クイックというわけではなく、走り出しは至ってフツーで、そのまま自然なほどリニアに加速するのだ。

もちろん、3500回転あたりからエキゾーストサウンドや景色の流れ方は変わってくる。が、いきなり凶暴になるということはない。さらっと街中を流していると、この躾けられた走りにこれで本当に621ps?と思ってしまうほどだ。

◆目は道に、手はステアリングに

BMWアルピナ B5
つまり、これがアルピナなのだ。M5のようにはじめから戦闘的ではなく、ドライバーが本当に必要としたときにだけそれが姿を表すといった味付けになる。なので、ステアリングにつくパドルシフトもほぼ必要としない。800Nmの大トルクがどの領域からでも期待通りの加速をしてくれる。まるで、「パドルをカチャカチャ頻繁に動かすなんて大人気ない!」とでも言っているようである。

そんな流儀なのかどうかは定かではないが、アルピナのパドルは決して使いやすいものじゃない。操作するのに使えるのは中指だけで、人差し指では届かない位置にある。しかも、右がプラスで、左がマイナスという配置なので、今日的なそれとは違い両手で常にステアリングを握る必要がある。きっとそれもアルピナの思想なのだろう。「目は道に手はステアリングに」、というように。個人的にはポルシェのティプトロニックを思い出した。993、996、997前期と乗り継いでいるだけに親しみを感じる。

といったパワートレーンを持った新型「B5」はまさに大人のクルマ好きが選ぶ一台。これまで色々と乗り継いできてここにたどり着くと言った印象だ。実にアンダーステイトメントである。いやはやかっこいい。個人的にも「いつかはたどり着きたい」と切に願っている。

BMWアルピナ B5

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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《九島辰也@レスポンス》

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