◆スイスの伝統ブランド「ボヴェ1822」と共同開発
バッティスタは個々のクライアントの希望に合わせてカスタマイズされ、世界に1台だけの仕様に仕上げられる。職人が手作業で生み出すという製作方法は、ボヴェ1822も同じという。ボヴェは高い品質を維持しつつ、オーダーメイドに幅広く対応している。
スイスに本拠を置くボヴェ1822は、200年近くにわたって、最高級の時計作りを続けている。年間製造数を1000個未満に制限することによって、すべてのパーツを自社製にすることを可能にした。また、スイスの時計づくりの伝統を継承している。
軽さとピュアさにこだわったバッティスタ・トゥールビヨンには、バッティスタのデザイン哲学が採用されている。各機械部品は、アウトモビリ・ピニンファリーナのデザイン哲学「PURA」(ピュア)を反映して細工された。

◆バッティスタの外装ディテールからインスピレーション
ほぼすべてのパーツがボヴェ1822の自社製で、スイス・トラムラン工場で製造された。両面のサファイアクリスタルを通し、バッティスタ・トゥールビヨンの内部機構を見ることができる。
バッティスタ・トゥールビヨンには、バッティスタのエクステリアが持つディテールからインスピレーションを得た。設計チームは時計の針、ブリッジ、文字盤などにバッティスタを彷彿とさせるデザインを取り入れた。2つのメインダイヤルの上にあるフライングブリッジは、流れるようなデザインとした。
サファイアクリスタルのエキシビジョンケースでは、文字盤の「トライアンゴロ」(三角)パターンなど、時計に合わせてミニチュアで表現された。パワーリザーブダイヤルには、アウトモビリ・ピニンファリーナとのコラボレーションフラッグが付く。

◆充電状態を示すバッティスタの「Eハート」をデザインに取り入れ
ハイパーEVのバッティスタのデザイン特徴の「Eハート」は、充電状態を表示するものだ。バッティスタ・トゥールビヨンの背面には、このEハート型の開口部が設けられ、ボヴェ1822が特許を保有する差動巻き上げ機構が見えるようにした。巻き上げは簡単かつ迅速で、パワーリザーブは10日間だ。
バッティスタ・トゥールビヨンは、時計の正面からに加え、エキシビジョンケースやむき出しの両サイドから、ムーブメントの各パーツと複雑な機構が見える立体的な構造を持つ。45.6mmのケースは大きめのサファイアクリスタル2つで構成された。
文字盤には、200年にわたるボヴェ1822の歴史の中で、初めてアシンメトリーなデザインが採用された。バッティスタの「トライアンゴロ」パターンと、ピニンファリーナの創業90年記念モデル『バッティスタ・アニヴェルサリオ』にちなんだ「90」の数字がアクセントだ。左側のパワーリザーブダイヤルはピニンファリーナとのコラボレーションを示すフラッグエンブレムが付き、右側のダイヤルはビッグデイト機構が付く。

◆持続可能な製造工程を共有
2つのメインダイヤルの上のフライングブリッジ、BOVETの「V」、時計の針、時間計測リングは、バッティスタの曲線をイメージしたという。また、主要なメカニズムは、エキシビジョンケースから眺めることができる。ツートンカラーのブリッジは、バッティスタに由来するものだ。
ハイパーEVのバッティスタでは、シートレザーをオリーブの葉でなめしたり、製造工程全体を通して素材をリサイクルしたり、革や木材の端材を組み合わせて革新的な新しい素材を作成するなど、新たな方法が導入された。
機械式時計は、適切にメンテナンスすれば永久的に使用できるという点で、持続可能性を備えている。ボヴェ1822の製造工程では、すべての廃棄物を回収してリサイクルしている。また、機械式時計は使い捨て電池を使用しない。バッティスタ・トゥールビヨンでは、ワニ革ストラップの代わりに、100%ビーガンによる新設計のラバーストラップを使用している。
◆バッティスタの0~100km/h加速2秒以内、最高速は350km/h
バッティスタのEVパワートレインは、4個のモーターを搭載し、合計で最大出力1900hp、最大トルク234.5kgmを引き出す。パワフルなモーターが4輪を駆動し、トルクベクタリング機能も採用した。0~100km/h加速2秒以内、0~300km/h加速12秒以内、最高速350km/hの性能を発揮する。
また、5種類の走行モードが切り替えられる。5 つの走行モードは、「Calma」、「Pura」、「Energica」、「Furiosa」、「Carattere」だ。リチウムイオンバッテリーはセンタートンネルとシート後方に、T字型にレイアウトされ、蓄電容量は120kWh。1回の充電での航続は、およそ500km(WLTPモードによるシミュレーション)の性能を備える。バッテリーは急速充電に対応している。