マツダ CX-5 新型試乗!「フィールドジャーニー」は、マツダ流儀を変える導火線となるのか? | Spyder7(スパイダーセブン)

マツダ CX-5 新型試乗!「フィールドジャーニー」は、マツダ流儀を変える導火線となるのか?

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マツダ CX-5 フィールドジャーニー
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  • マツダ CX-5 フィールドジャーニーのアウトドアイメージ

2017年に現行モデルが登場してから早5年、マツダの基幹車種『CX-5』が、2021年11月に商品改良を行い、12月より販売開始となった。

同社のグローバル販売台数の3分の1を占めるほどの重要な車種だというCX-5。国内市場でも、2021年1~11月のCX-5の販売台数は約1万9170台、月平均は1743台であり、『マツダ2』(同時期月販売台数2万1600台)に続く重要なモデルだ。それだけに今回も並々ならぬ気迫で商品を磨いてきたという。

今回、改良前のCX-5と、改良モデルの両方を比較試乗することができた。その模様をお伝えしよう。

「都会派SUV」CX-5から、まさかのオフロードテイストが

ほぼ毎年のように商品改良を行うマツダは扱う車種が少ないメーカーではあるが、改良を期待して待っているマツダファンのため、日々クルマを磨き続けるマツダの姿勢は、見習うべきものがある。

さて、今回のCX-5改良のホットポイントだが、フロント周りのデザインの大幅変更と、前後のランプ外形変更、乗り心地性能の改良、さらには、オフロードモードも備えたドライブモード変更機能「Mi-Drive」の新採用などだ。また、多様化するユーザーのニーズに応えるよう、3種類のグレード「スポーツアピアランス」、「フィールドジャーニー」、そして最上グレード「エクスクルーシブモード」も新たに追加されている。

パワートレインは変更がなく、2.0リットル直4ガソリンと2.5リットル直4ガソリン、2.2リットル直4ディーゼルターボの3種類。駆動方式は、フィールドジャーニー(4WDのみ)を除いて、2WDと4WDから選択可能だ。

注目は、オフロードテイストの意匠を装備した新グレード「フィールドジャーニー」。新色のジルコンサンドメタリック(カーキ色)の落ち着きとは対照的に、フロントグリルには目の覚めるようなライムグリーンのアクセントが入る。内装にも、エアコン吹出口などにライムグリーンがあしらわれており、これまでのCX-5とは趣向が異なる雰囲気となっている。

マツダによると、「2代目CX-5になったとき、初代CX-5から乗り変えてくれたお客様は多かったが、『都会派SUV』の方向性へ大きく振ったことで、オフロードテイストを好む初代CX-5オーナーの乗り換え先がなく、買い控えをしているという方が多くいたことがわかった」とのこと。そうしたマツダオーナーの意見や、キャンプ需要の高まりも考慮し、オフロードテイストを重視したフィールドジャーニーを用意したそうだ。

たしかに、タイヤも17インチのオールシーズンタイヤで、CX-5にはなかった無骨さがある。マツダ純正アクセサリーのオフ系カスタムでバッチリ決めれば、さらにオフロード感が高まる。ちなみに、アクセサリー開発はマツダのキャンプ好きが担当しており、デモカーには、アウトドア好きがカスタムしたくなるアイテムが多数織り込まれていた。

フィールドジャーニーは、走りもオフロードテイスト

従来モデルのCX-5(20S)を試乗したあと、2.2リットルディーゼル4WDのフィールドジャーニーを試乗した。ブラック塗装の17インチホイールとYOKOHAMAジオランダー(225/65R17オールシーズンタイヤ)を装着するモデルだ。65扁平というゴム厚のあるタイヤのおかげで、路面の突起はことごとく丸くいなし、マイルドな乗り心地となっている。揺れの収まり(ダンピング)が若干落ちてはいるものの、気になるほどではない。

また、従来モデルに対し、ヘッドトスが改善していることがよく分かった。フロントのスプリング定数と減衰特性の調整で実現したようだが、マツダの操縦安定性担当がいう、「ダイアゴナル・ロール・コントロール(鼻先をコーナーインへ向けるロールモーション)」感もあり、素直に上手いなと感じた。また、高速直進性も高く、運転は楽で安心できる。

さすがにコーナリングシーンでは、19インチタイヤを履く従来モデルのようなキビキビ走る感覚は感じられないが、大らかなSUVがもつ操縦安定性の印象で、非常に好感が持てる乗り味であった。ただ、残念ながら、サマータイヤと比べるとロードノイズはやや悪化していた。

クラス随一のコーナリング性能、スポーツアピアランス

続いて、2.5リットルガソリン4WDの「スポーツアピアランス」へも試乗した。TOYO製の19インチタイヤ(PROXES)のハンドリングは流石の一言だ。直進性が高く、コーナーでは微舵に送れなく反応する。これまでのCX-5が築いてきたCX-5の人馬一体感を継承するのはこのグレードだろう。突起ショックは17インチ車に対して大きめだが、ロードノイズは静かで、快適だった。このクラスのSUVのなかでも、最も気持ちよくコーナーを流れる一台ではないだろうか。

唯一気になったのは、加速時のエンジンノイズの大きさだ。2.2リットルディーゼルの出来が良すぎて、2.5リットルガソリンエンジンが霞んでしまっている。「エンジンサウンドだ」とも言えなくもないが、アクセルペダルを踏み込んでいっても、エンジン音の高まりに対して、期待する加速フィールが伴わない。「これがガソリンハイブリッドだったら…」と、思ってしまったが、気持ちよく加速したいときに、エンジンノイズが聞こえると、エンジンの非力さを感じてしまう。やはり、パワフル&スムーズなハイブリッドが早く欲しいところだ。

「Mi-Drive」のオフロードモードは、出したことに価値がある

今回、開発陣が力を入れたアイテムがMAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT、略して「Mi-DRIVE」(ミードライブ)だ。従来型にもあったドライブセレクションスイッチの「NORMAL」と「SPORT」に加えて、新たに「OFF-ROAD」モードを設定し、「フィールドジャーニー」グレードの1アイテムとしている。

未舗装路や新雪路といった悪路走行などで、トラクション重視にする制御に仕上げたという。具体的には、トランスミッションのロックアップを緩慢にしたり、タイヤが空転した場合にブレーキを摘まみ、接地輪で駆動するなど、緻密な制御がなされている。

日本国内で本格的に活躍する場は、北海道のような雪深く未舗装路がある地域くらいだろうが(北米市場では、オフロードモードが役立つような生活道路が割と多いそうだ)、それでも、シティ派SUVのイメージでCX-5を固めてきたマツダが、こうしたオフロード向け制御をCX-5に追加してきたことは、十分評価できることだろう。

CX-5が素晴らしいからこそ、一刻も早くストロングハイブリッドを!

マツダのクルマは、毎年のように改良されるので買い時が難しい、ともいわれるが、今回それを痛感した。特別モデルの追加もさることながら、ベーシックな磨き込みも漏れなく投入されており(シートレール補剛や、車体フレームに減衰構造の追加など)、CX-5を大切に育てている様子がよく分かる。ただやはり、一刻も早く、ストロングハイブリッド仕様が欲しい。

現時点で、ディーゼル、純ガソリン、バッテリーEVを巧みに使い分けられる国産の自動車メーカーは、トヨタとマツダくらいではないだろうか。このCX-5に、ストロングハイブリッド仕様が追加されれば、国内SUV事情はかなり変わってくるだろう。マツダの進撃からは当分、目が離せない。

■5つ星評価
CX-5 XD 4WD フィールドジャーニー
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

CX-5 25S スポーツアピアランス
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

吉川賢一|自動車ジャーナリスト
元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

【マツダ CX-5 新型試乗】「フィールドジャーニー」は、マツダ流儀を変える導火線となるのか?…吉川賢一

《吉川賢一@レスポンス》

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