1700馬力PHVスーパーカーに搭載へ...ケーニグセグ、自社開発モーター発表! | Spyder7(スパイダーセブン)

1700馬力PHVスーパーカーに搭載へ...ケーニグセグ、自社開発モーター発表!

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ケーニグセグ・ジェメラ
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ケーニグセグ(Koenigsegg)は1月31日、同社初の自社開発モーターを発表した。まずは、新型プラグインハイブリッド(PHV)スーパーカーに搭載する計画だ。

◆0-100km/h加速1.9秒で最高速400km/hの『ジェメラ』

自社開発モーターは、「クォーク」と命名された。クォークはまず、新型スーパーカーの『ジェメラ』に採用される。ジェメラには、PHV(プラグインハイブリッド)パワートレインを搭載する。電気モーターは、後輪の左右とフロントに合計3個レイアウトされ、最大出力1100hpを獲得する。

ミッドシップの「TFG」と名付けられた2.0リットル3気筒ツインターボエンジンは、最大出力600hp/7500rpm、最大トルク61.2kgm/2000~7000rpmだ。この3気筒エンジンは、刺激的なサウンドを追求する。ジェメラは、システム全体で、1700hp(1.27メガワット)の出力と356.9kgmのトルクを引き出す。

乾燥重量は1715kg。動力性能は、0~100km/h加速を1.9秒で駆け抜け、最高速は400km/hに到達する。蓄電容量16.6kWhの800Vバッテリーは、EVモードで最大50kmの航続を可能にする。EVモードの最高速は300km/hとした。またジェメラは、ガソリンだけでなく、エタノールやCO2ニュートラルなメタノールが使用できる。ガソリン15%+エタノール85%の混合燃料「E85」にも対応している。

◆モーターは航空宇宙や船舶などの幅広い分野での採用も想定

また、クォークは自動車だけでなく、航空宇宙や「VTOL(垂直離着陸機)」、船舶などの幅広い分野向けに、トルクが豊かでコンパクトなモーターを提供することを想定している。クォークは、クラスをリードするトルクとパワー、回転数、軽量さを組み合わせた高効率モーターとした。船舶や航空機、VTOLなどで使用する場合、トランスミッションを必要としない。モーターの回転と同時にトルクが立ち上がり、ダイレクトドライブを実現するという。

クォークは、磁石などの素材、冷却性能、パッケージングを重視して開発された。ラジアルフラックスとアキシャルフラックスの2種類のレイアウトを組み合わせることで、業界最高レベルのトルク対パワーウェイトレシオを可能にした、と自負する。

最初に製品化されるクォークは、モーター単体重量が30kgで、最大出力340hp、最大トルク61.2kgmを引き出す予定だ。ジェメラに搭載される仕様では、モーター単体重量が28.5kgを下回る可能性があるという。ジェメラはトルクや電力の損失なしで、400km/hの最高速を目指している。

◆トルクベクタリングのEVパワートレインも開発

ケーニグセグは、このクォークを利用して、トルクベクタリングのEVパワートレイン、「テリア」も開発した。テリアでは、2つのクォークモーターと1つの「デイビッド」インバーター、遊星歯車を一体設計している。

2個のクォークに1個のデイビッドを組み合わせることにより、EV業界で最もパワーとトルク密度の高いトルクベクタリングのEVパワートレインを開発することができたという。ケーニグセグは、多くのEVに適した最もエキサイティングなEVパワートレインのひとつ、と自負する。

テリアでは、必要なインバーターの数を、2個ではなく1個に減らした。これは、デイビッドインバーターの高効率設計によるもので、インバーターを1個とすることで、重量やサイズ、コンポーネントを削減している。さらに、このインバーターは、2つのモーターの間にレイアウトされ、正方形の高密度パッケージが可能に。クォークモーターは、低回転域から大きなパワーとトルクを発生するため、遊星歯車を組み合わせるだけでいいという。

コンパクトなパッケージにより、テリアはモノコックやシャシーに直接ボルトで固定できる。そのため、これまで困難だった設計やエンジニアリングが可能になる。この特性により、サブフレームにかかる荷重が軽減される可能性もあるという。

なお、ケーニグセグは、テリアと急成長中のハイブリッドアーキテクチャに関する詳細を、今後発表する予定、としている。

ケーニグセグ、自社開発モーター発表…1700馬力PHVスーパーカーに搭載へ

《森脇稔@レスポンス》

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