クロアチアを拠点とするEVカーメーカー「リマック・アウトモビリ」は、2ドアハイパーEV『ネヴェーラ』が最高速度412km/hを計測、世界最速の量産EVの称号を得たことを発表した。
ネヴェーラは、コンセプトモデルを2018年のジュネーブモーターショーで発表、2021年に量産モデルが公開された。そのスペックは、4輪に磁石モーターを装備、独立駆動でシステム合計1,914ps、最大トルク2,360Nmを発揮し、0-100km/h加速1.85秒のパフォーマンスを持つ。
2021年8月には米国カリフォルニア州の「ファモーソレースウェイ」において、1/4マイル(0-400m)を8.58秒という市販車の世界最速記録を樹立した。
今回記録達成にあたっては、チーフテストおよび開発ドライバーであるミロスラフ・ズルンセビッチ氏がハンドルを握った。また最高速度トライアルのためのチューニングはされておらず、公道仕様のカップ2タイヤを装着、ミシュランのエンジニアが走行前にチェックするため現場にいたという。
ミロスラフ・ズルンセビッチ氏が4つのモーターを駆動させ、1,914psという強力なパワーを解き放った時、ハイパーカーはバンクを出てストレートに入った直後に、すでに時速155マイル(250km/h)を出していたと同社は言っている。また速度を正確に測定するために、GPS ベースの Racelogic V-Box デバイスも車内に設置されていたようだ。
これまでの最高速度は、ブガッティ『シロン スーパースポーツ』が2019年に出した304.77マイル(490.48km/h)だが、約 1 年前に合併してブガッティ・リマックとして同じ企業の傘下にあるため、2つのブランドには競合関係はないといえる。
今後ネヴェーラより早いEVは誕生するのか、現段階では思いつかない状況だ。直近では、ロータス「Evija」は322km/h、ピニンファリーナ「バティスタ」は350km/h、Nio「EP9」は312km/hにとどまっている。本命はテスラ「ロードスター」次期型だ。同コンセプトは5年前の2017年の時点で最高速度402km/hを超えており、次期型では期待十分と言えるだろう。