ポルシェは現在、内燃機関エンジン搭載する911改良新型と、ブランド初となるハイブリッドシステムを搭載する911を開発しているが、近い将来登場するフルエレクトリック版911を大予想した。
予想CGを提供してくれたデザイナーのニコラス・ヴィジエ氏によると、ポルシェモデルに見られる有機的な形状と、製品設計部門(ポルシェ デザイン)の堅牢な形状を融合させることを目標に制作したという。その結果、未来的なスタイリングを備えたミニマリストなEVスポーツカーが完成した。
そこには、「356」にインスパイアされたフロントエンド、「930」に似たプロファイルなどポルシェの輝かしい過去へのオマージュが見られる。また楕円形のヘッドライトを連想させるわずかに突き出た4つのLEDドットは、現在の新型モデルが装備するコンポーネントの進化系と言えるだろう。
ボディ下部はブラックで、フロントにはブレーキとバッテリーを冷却するための大型のバンパーインテークが配置されている。またフロントウィンドウからルーフにかけての、1枚のガラスでできているように見える、空気力学的に成形されたキャビンも特徴的と言えるだろう。
ウィンドウ側面には、「911タルガ」を彷彿とさせるピラーを装備、2シーターキャビンを保護しているほか、足回りにはエアロスタイル・ブラック仕上げの6本スポークホイールも確認できる。
後部では、全幅LEDストリップライトバーを保持、埋め込み型バンパーと組み合わせている。またリアオーバーハングは、EVパワートレインが同じスペースを必要としないため、従来の911より切り詰められているようだ。さらに「917」レースカーを参考に後輪の一部を露出させ、中央にはF1スタイルのLEDを備えたディフューザーを統合している。
ポルシェは現在、「718ケイマン/ボクスター」次期型EVに着手、タイカンに次ぐEVレジを拡大している一方、911のリアエンジンを可能な限り維持しようとしている。911もいずれ必ずフルエレクトリック化されるが、デビューは2029年頃となるだろう。