ルノーは現在、LCV(商用バン)の『Master』(マスター)次期型を開発しているが、その市販型プロトタイプをスクープサイト「Spyder7」のカメラが初めて捉えた。
初代マスターは、1981年に登場、第2世代では、日産がOEM供給を受け『インタースター』として発売された。現行型となる第3世代は2010年に登場、日産版は『NV400』として販売されている。現行型は登場からすでに12年が経過、市場で最も古い小型商用車となっている。
極寒のスカンジナビアで捉えたプロトタイプは、ボディの3/4をカモフラージュ。開発初期段階ではあるが、ダミーのパネルは見当たらず、プロダクションボディと思われる。霧と豪雪の悪天候の中で撮影、詳細は不明だが、グリルにはいくつかの開口部が見られ、キャビンは現行型と似ているものの、フロントエンドはよりボクシーな形状となっていることがわかる。またヘッドライトはよりスリムに見え、スライトドアのラインは、より低く配置されているようだ。次期型でも、すべての大型バンと同様に、さまざまなホイールベースとルーフの高さが用意されるだろう。
現行型では、すでにバッテリー駆動のマスターがラインアップされているが、航続55キロワットの小さなバッテリーパックを搭載、WLTPサイクルで約120マイル(190km)という動力性能は、いささか物足りなさがある。但しマスターは、「ライトマイル」配送を目的としているため、販売に大きな影響は出ていない。しかし、次期型では大型バッテリーパックを積み、航続距離が伸び、都市間配送により、適したものになることが期待されている。さらに興味深い話では、昨年発表された「Master H2-TECH」に続く、水素燃料電池パワートレインを備えた新たなゼロエミッションバージョンも計画しているという。
マスター次期型のワールドプレミアは2024年と予想され、市場でのライバルには、フォード「トランジット」、メルセデスベンツ「スプリンター」、VW「クラフター」、フィアット「デュカト」、シトロエン「ジャンパー」など多数のモデルが存在している。また日産「NV 400」次期型のベースモデルとなることも濃厚で、登場すれば、プレビューモデルとなるだろう。