先日、ポルシェ初の量産フルエレクトリックサルーン、『タイカン』改良新型プロトタイプを捉えたが、今度は派生ワゴンとなる『タイカン クロスツーリスモ』プロトタイプをキャッチした。
初代となる現行型タイカンは、2015年に「ミッションE」として初公開された。市販型は2019年に導入され、4周年を迎えるにあたり初の大幅改良がなされる。もちろん、サルーンだけでなく、「クロスツーリスモ」や「スポーツツーリスモ」などファミリー全モデルがリフレッシュされる。
サルーン開発車両と比較すると、基本的カモフラージュは同じだが、フロントスポイラーにアルミ素材を採用、ナンバープレート下のセンサーに違いが見られる。また後部でもバンパー、ディフューザーにアルミ素材が装備されているほか、ナンバープレート横にオレンジ色のステッカーが貼られた牽引フックが見られる。
改良新型の目玉と見られるのが、ヘッドライトだ。同社では、昨年12月に新開発のHDマトリックスLEDヘッドライトを発表。新ユニットでは現行モデルの2倍の明るさを持ち、約2,000フィート(600m)を照射する。現行型では、「918」ハイパーカーからインスパイアされた、中央のヘッドライトを囲む4つのDRLコンポーネントを特徴とするヘッドライトを装備している。しかし、新ユニットでは、クアッドLEDモチーフを保持するが、中央のライトは完全に取り除かれ、4つの小さなLEDライトが採用される。
新ヘッドライト技術のコア要素は、16,000個の個別に制御可能なマイクロLEDを含むマイクロチップだ。各ランプユニットには4つの可視ライトがあるが、重要なのは両側にある2つの下部ライトで、各ヘッドライトポッドの外側のライトには広角レンズ、内側のライトには望遠レンズがあり、飛躍的に性能が向上している。
但し、サルーン開発車両と同様にスポーツツーリスモにも、現行ヘッドライトユニットが装備されており、すべてのグレードに標準装備されるか、上位グレードのみ、あるいはオプション扱いとなるかも注目だ。
最大の話題は、今回のフェイスリフトに新型の高性能バージョン「GT」が導入されるという噂だ。スクープサイト「Spyder7」では、すでに「TDI」バッジを付けたプロトタイプを捉えているが、GTではタイカン初となるトリプルモーターを搭載、システム最高出力は1,000psを発揮すると見られている。現段階では、サルーンの開発車両のみしか発見されておらず、派生モデルへの設定がなされるのか、要注目だ。
タイカン改良新型のデビューは、2023年内と予想されるが、クロスツーリスモが同時に登場するかは不明となっている。